シケタイ憲法第4版を読む(2)目次
前回のエントリは、こちら。
今回は、シケタイの目次を見てみます。
第3版と第4版とで項目に差異があるのは、次の箇所です。第3版の項目は青字で、第4版の項目は赤字で、それぞれ表記しています*1。
憲法の機能的な分類(存在論的分類)
第1部 憲法総論
1.総説
2.憲法の意味
2 立憲的意味の憲法の特色
3 憲法の分類
【1】憲法の形式・性質・制定主体による分類
【2】国家形態による分類
【3】機能的な分類(存在論的分類)【新設】
3.(以下略)
刑事施設被収容者(在監者)の人権
第2部 基本的人権の原理
第6章 基本的人権の限界
1.公共の福祉
2.特別の法律関係における人権
1 特別権力関係論
2 公務員の人権
3 刑事施設被収容者(在監者)の人権【「被収容者(在監者)の人権」から章名変更】
3.(以下略)
私人間効力
第2部 基本的人権の原理
第6章 基本的人権の限界
1.公共の福祉
2.特別の法律関係における人権
3.私人間効力
1 私人間効力の背景【削除】
【1】社会的権力による人権侵害【削除】
【2】全法秩序の基本原則としての人権の観念【削除】
【3】伝統的人権概念の歴史性【削除】
1 学説【項番繰上】
【1】無適用説(無効力説)
【2】直接適用説(直接効力説)
【3】間接適用説(間接効力説)
【4】事実行為による人権侵害【下記3に項番移動】
2 判例【新設】
【1】使用者と労働者の労働関係【新設】
【2】労働組合と組合員の関係【新設】
【3】私立大学と学生の関係【新設】
【4】家族関係【新設】
【5】入会団体【新設】
3 事実行為による人権侵害【項番移動】
4.(以下略)
合憲性審査方法
第2部 基本的人権の原理
第6章 基本的人権の限界
1.公共の福祉
2.特別の法律関係における人権
3.私人間効力
4.合憲性審査方法【新設】
1 三段階審査論――三段階審査の手法【新設】
【1】はじめに【新設】
【2】保護領域、制限、正当化【新設】
2 違憲審査基準【新設】
【1】意義【新設】
【2】三段階審査論と違憲審査基準論の比較【新設】
幸福追求権の内容
第2部 基本的人権の原理
第7章 包括的基本権と法の下の平等
1.生命・自由・幸福追求権
1 生命・自由・幸福追求権の意義
【1】総説
【2】法的性格
【3】幸福追求権の内容【削除】
2 (以下略)
通信事業者への規制
第2部 基本的人権の原理
1.表現の自由の意味
2.表現の自由の内容
3.表現の自由の限界
4.集会・結社の自由、通信の秘密
5.インターネットと表現の自由
1 総説
2 インターネットの問題点
【1】表現者(情報発信者)の責任の問題
【2】プロバイダーの責任の問題
【3】通信事業者への規制【新設】
【4】放送と通信【項番繰下】
国家賠償請求訴訟
第2部 基本的人権の原理
第12章 国務請求権(受益権)
1.請願権
2.裁判を受ける権利
3.国家賠償請求権
1 総説
2 法的性格と内容
【1】法的性格
【2】内容――国家賠償法
【3】国家賠償請求訴訟【削除】
4.(以下略)
国会議員の特権(特典)
第3部 統治機構
第17章 国会
1.国会の地位
2.国会の組織と活動
1 国会の組織
2 選挙制度
3 国会議員の地位
【1】国会議員の身分の得喪
【2】国会議員の特権(特典)【赤字部分追加】
【3】議員の権能
4 (以下略)
まとめ
大きな変更があった箇所は、私人間効力と、合憲性審査方法の項目のようです。具体的にどのような変更がなされているのかについては、各項目について詳しく見ていく中で採り上げたいと思います。
なお、地方自治の章(第21章)の目次の中に「地方開発事業団」が生き残っていますが、地方開発事業団は、全部事務組合及び役場事務組合とともに、平成23年法律第35号によって廃止されました*2。法改正の反映漏れでしょうか。
次回以降は、シケタイ本文の内容について採り上げていきたいと思います。
シケタイ憲法第4版を読む(1)
「シケタイ」といえば、司法試験受験生にはおなじみの伊藤塾「伊藤真試験対策講座」シリーズ。そのシケタイ『憲法』が18年ぶりに改訂され、2025年6月19日に第4版が発売されました。
たしかに書店であまり見かけないと思っていたら、18年も改訂されてなかったんですね…*1。
この18年間、憲法をめぐる裁判例や学説が大いに蓄積されてきたのはもちろんのこと、政治部門でもさまざまな動きがありました。
シケタイ憲法第4版(以下、特に断りのない限り、単に「シケタイ」といいます。)は、この18年間の世の中の動きをどのように反映しているのでしょうか。せっかくの機会ですので、シケタイを読み直して、どのような改訂がされたのか(あるいは、されていないのか)について、記録していきたいと思います。
ちなみに、シケタイは、司法試験受験生向けの書籍だとばかり思っていましたが、「シリーズ刊行に際して」には、次のような記述があります。
本シリーズは司法試験の受験生をはじめとして、一般の法学部生、仕事で法律の学習を必要としているビジネスパーソンの方が、必要十分なレベルを保ちつつ、わかりやすく六法を学習していけるように作成した。本シリーズをきっかけとしてさまざまな分野のできるだけ多くの方が法律に親しんでいただけることを望んでいる。
私が法学部生だった頃、憲法の勉強にはずいぶん苦労した記憶があります。18年ぶりの改訂で、シケタイがどのくらい分かりやすくなったのか(あるいは、なっていないのか)についても、気付いた点を書き留めていきたいと思います。
参照文献
シケタイに掲載されている「参照文献一覧」を見てみると、第3版の出版(2007年)以降に世に出た文献として、次のものが新たに掲載されていました*2。
こうして見ると、この18年間で新たに出版された複数の文献が「参照文献一覧」として追加されたことが分かります。
なお、「参照文献一覧」に掲載された文献以外にも、シケタイの本文中では、適宜、必要な文献を参照しています。本文で参照している文献として、どのようなものが新たに追加されたのかについては、次回以降、本文に関するエントリの中で、言及していきたいと思います。
次回のエントリでは、シケタイの目次がどのように変わったのかについて、まとめてみたいと思います。
HSK2級の勉強法
12月5日(日),HSK2級を受験しました。
たぶん合格してると思いますが,備忘のために受験までの過程を記録しておきます。
なぜHSK2級を受験したのか
やっぱ中華ドラマが少しでも聴き取れたりすると楽しいと思うの。
— 石川 (@Wa11abie) 2019年11月25日
これに尽きます。
今まで,中華ドラマといえば,三国志演義 (テレビドラマ) - Wikipediaとか三国志 Three Kingdoms - Wikipediaのようないわゆる歴史モノをよく見ていたんですが,最近は,いろんな動画サイトで,公式が動画配信するようになってきたんですよね。
このドラマの概要は,曹操 (テレビドラマ) - Wikipedia。
当然のことながら日本語字幕なんかはないので,ドラマの内容を理解するには,少なくとも字幕の中国語を読めるようにならないといけません。
中華ドラマはわりと中国語字幕があるので,とりあえずは字幕が読めればいいのですが,中には字幕なしのドラマもあります。
これはリスニングができないと理解できない…。
というわけで,まずは字幕を読めるようになって,次にリスニングができるようになろう,というのがHSK受験の動機です。
HSK2級の勉強に使用した教材
最近はアプリが充実しているので,ほとんどアプリで勉強しました。
HelloChinese
HelloChineseを使用している理由は,
という点です。
HelloChineseは,HSKに準拠したアプリになっていて,学習している単語・文法がHSKのどの級で出題されるかが明記されています。一応,HSK4級までの単語と文法をカバーしてるみたいです。
HSK2級に対応するカリキュラムをやっていても,時々,3級や4級の単語が登場することがありますが,級別表示があるので,「今はとりあえず覚えなくてもいいや」という判断ができるのが良いです。
最初はDuolingoを使っていたのですが,
- カリキュラムの数が少ない
- Duolingo日本語版の中国語カリキュラムだと,Unit2までしかカリキュラムがない。
- Duolingo英語版の中国語カリキュラムだと,Unit4まである。
- 文法の解説がない
- Duolingo英語版の中国語カリキュラムだと,ちょっとだけある。
- Duolingo英語版で中国語の勉強をするのがめんどくさい
- HSKに準拠しているわけではない(と思われる)
ということから,試験対策に使うのは微妙かなと思って,Duolingoはメインでは使わなくなりました。
ただ,Duolingoは,もともと使用していたアプリということもあって,今も使ってます。
あと,HelloChineseがDuolingoと違うところは,リスニングの問題文が,音声だけではなくて,実際に発話している様子を撮影した動画で流れるところです。屋外で撮影しているみたいなので,ノイズも入って若干聞き取りにくいですが,そこがまたリアルな感じです。さらに,よくある語学教材の音声のように,聞き取りやすい感じで話してくれているわけではないので,ネイティブと会話しているときの環境に近くていいなと思いました。
HelloChineseのほかにも,HSKに準拠した学習アプリがあるみたいなので,いろいろ使ってみて,自分に合ったアプリを使うのがいいと思います。
SuperTest
SuperTestは,過去問を解くのに利用しました。
過去問は,市販の書籍としても販売されていますが,本を開いて勉強するとなるとやっぱり面倒なので,アプリで完結できるのはとても魅力的です。
ただ,SuperTestには和訳がないので,リスニングにしろ,リーディングにしろ,問題を解き終わった後の問題文は,自分で和訳して,それぞれ正答・誤答の理由を考えないといけません。
あと,SuperTestにも,HelloChineseのような学習カリキュラムが揃っているのですが,やっぱり和訳が少ないので,メイン教材にするには不向きかなと思いました。
HSK公認テキスト
アプリだけだと,文法の解説がどうしても少ないので,文法は,アプリとは別に勉強する必要があるなと思いました。
やっぱりここは公認テキストだろうということで,一応買って読みました。
というか,中国語勉強のために重い腰を上げて最近iPadを購入したんですが,勉強意欲わきまくりでやばい。
やさくわ
公認テキストだけでは,文法の細かいところがよく理解できなかったので,Twitterで教えていただいた「やさくわ」という文法書を利用しました。
細かいところまで理解しなくても,ざっと読むだけでも,これからどんなことを勉強していくのかがわかって,頭の中が整理される気がします。
「やさくわ」もKindle版があります。
あとは,東京外国語大学のサイトに解説があるので,それを眺めてみるのもいいかもしれません。
単語帳
昔から単語帳を使って勉強するのがあまり好きではないのですが,一応買うだけ買ってみました。これもKindle版があります。
HSK2級は300語程度の語彙しか使わないので,わざわざ単語帳を買って勉強するほどではないかもしれません。
HSK3級は600語程度,HSK4級は1200語程度の語彙が必要となるみたいなので,今後のことを考えると,さすがに単語帳くらいはあってもいいかなと思って買いました。
というか,1級上がるごとに必要な語彙数が倍になっていくのきつい…。
なぜ中検ではなくHSKを受験したのか
中国語の検定試験は,HSKのほかにも中検(中国語検定試験)というのがあります。
中検は,日本向けの試験ですが,HSKは,世界中で実施されていて,中国の大学に留学する際の基準としても用いられているそうです。
今回,中検ではなくHSKを選択した深い理由があるわけではないのですが,留学に用いられているくらいであれば,試験にまつわる情報も豊富なんじゃないかなくらいの軽い気持ちでHSKを選択しました。
なぜHSK1級ではなく2級を受験したのか
だらだらとDuolingoで中国語の勉強をしつつ,そろそろ飽きてきたなと思ったので,検定試験でも受けようかなと思ったところから始まりました。
10月の下旬ころにHSKでも受けようかなと漠然と思い始めて,1週間ほど勉強をしてみた結果,1級ではなく2級でもいけそうな感じだったので,2級を受験することにしました。
HSKでは,現在,「再チャレンジキャンペーン」というのをやっていて,1級又は2級の受験者に限り,不合格となった場合であっても,再度同じ級を無料で受験できるようです。
Twitterでも,再チャレンジキャンペーンがあるからまずは2級を受けてみれば?と勧めていただいたので,とりあえず2級に挑戦してみました。
受験を思い立ってから受験日まで1か月ちょっとしかなかったのですが,まぁなんとかなりました。
HSK2級の勉強をしてみて
なんといっても,アプリでやっていた普段のカリキュラムに比べて,過去問のリスニングは難しいと感じました。
アプリは結局のところ同じような表現を単語を入れ替えたりして繰り返しやるだけなので,ある程度パターン化されてますから,回数こなせばそりゃできるようになりますよねという感じ。
なので,省略した表現とか,聞き慣れない表現とかが突然登場すると,頭の中が(???)となって戸惑ってしまいました。
これは,過去問を繰り返しやって,いろんな表現に慣れていくしかないなと思いました。
今後の予定
HSK2級の勉強をちょろっとやっただけでも,中華ドラマの字幕が少しだけわかるようになって,感動しました。
とりあえず,半年後くらいをめどに,HSK3級に挑戦したいと思っています。
ビギナー向けオススメ書籍
T-TAKA先生のnoteに触発されたので(?),思いつくままに紹介してみます。
刑事事件
最初はこの本のとおりにやってみました。ちなみに『少年事件ビギナーズ』もあります。
初版136頁に「情状チェックリスト」があったのに,2版では消滅してしまったのはなぜなんでしょうか(便利だったのに)…。
令状関係だと,最近は,別冊判タ34号・35号を見ることが多いです。
示談の際は,千葉県弁護士会編『慰謝料算定の実務〔第2版〕』(ぎょうせい,平成25年)377頁以下を参考にすることがあります。
量刑については,一弁の『量刑調査報告集』をたまに参照します。
刑事関係書籍は挙げはじめるとキリがないので,このあたりで。
民事訴訟
訴訟事件をあまりやらないので(!),たまにやるときに読み返しています。
塚原朋一編著『事例と解説民事裁判の主文〔第2版〕』(新日本法規出版,平成27年)を開くこともありますが,こちらを参照することのほうが個人的には多いです。
保全・執行
事例に学ぶ保全・執行入門―権利実現の思考と実務 (事例に学ぶシリーズ)
- 作者: 野村創
- 出版社/メーカー: 民事法研究会
- 発売日: 2013/09/01
- メディア: 単行本
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書式集みたいなのをいきなり読むよりも,わかりやすいと思います。
このシリーズはいろいろな分野で出てるんですが,初めて手がける事件については,どれも勉強になります。
ちなみに,某執行裁判所からは,東京地方裁判所民事執行センター実務研究会編著『民事執行の実務〔第3版〕』(きんざい,平成24年)の「何巻の何頁を見てください」と電話がかかってきたことがありました。
民事調停
「調停には親しむが,訴訟には親しまない(申立人には,そのような法的請求権は存しない。)。」と記載されているケース(393頁)があって,なるほどなと思いました(小学生並みの感想)。
「こういうのは調停でできるんだなぁ」というのを知る意味で,手許にあると便利かもしれません。
遺産分割
すべての出発点。
去年第3版が出ました。
ちなみに,片岡裁判官は,「家庭と法の裁判」で「初任者のための遺産分割講座」を連載されていました(14号が最終回でした)。
手続の流れに沿って物語形式で進んでいくので,読みやすいです。近年の法律書には珍しく,縦書き。
異母きょうだいあり,不在者あり,成年被後見人あり,調停係属中に再転相続あり,なおかつ相続人多数というケースが題材になっているので,ちょっと複雑なケースに遭遇した場合は,「どうするんだっけ?」と読み返すことがあります。
財産管理
第2版 家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務 成年後見人・不在者財産管理人・遺産管理人・相続財産管理人・遺言執行者
- 作者: 片岡武,金井繁昌,草部康司,川畑晃一
- 出版社/メーカー: 日本加除出版
- 発売日: 2014/08/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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後見・不在者財産管理人・相続財産管理人は,とりあえずこれ。
離婚
修習中におすすめされた書籍ですが,今年第3版が出ました。
労働
これか,二弁の『労働事件ハンドブック』を開くことが多いです。
農地
農業委員・農地利用最適化推進委員必携 農地・農業の法律相談ハンドブック
- 作者: 本木賢太郎,松澤龍人,飯田淳二
- 出版社/メーカー: 新日本法規出版
- 発売日: 2018/02/26
- メディア: 単行本
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田舎モンなので農地関係法の習得は必須です…。
債権回収
コンパクトにまとまっているので,取っ掛かりとしてはよいと思います。
契約書
3巻セット。
さしあたって手がかりをつかむために開いてみることが多いです。契約関係書籍は契約の種類ごとにたくさん出ているので,実際にはそちらを参照しています。
金融実務
金融機関の法務対策5000講 I巻 金融機関の定義・コンプライアンス・取引の相手方・預金 編
- 作者: 遠藤俊英,小野瀬厚,神田秀樹,中務嗣治郎
- 出版社/メーカー: きんざい
- 発売日: 2018/02/01
- メディア: 単行本
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5巻セット。
困ったときはこれを見ればだいたい何でも書いてあります。
報酬
だいたいのめやすを知るにはよいと思います。
その他
なんだかんだ『要件事実マニュアル』と『民事訴訟マニュアル』はよく開きます。
破産は各地で事情が違うようなので,よくわかりません。
遺言と交通事故はどなたかおすすめがあれば教えてください。
また思いついたら追記するかもしれません。














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